「トラジマのミーめ」との出会い
こんにちは。猫まみれのソラノウミです!
今日は完全に心をわしづかみにされた1冊の猫まんが「トラジマのミーめ」のお話をしたいと思います。
この「トラジマのミーめ」はあの銀河鉄道999の松本零士による作品です。
つい最近手塚治虫のニャンコ展に行ってきたのですが、そこで初めてこの猫漫画の事を知りました。
ニャンコ展の最後に手塚るみ子さんが人気漫画の特に印象的なニャンコを紹介するコーナーがありました。
そこで可愛い猫のミーくんパネルと目が合い、そばに行くとなんと!松本零士作品と書いてあるではありませんか!
猫漫画なんか描いていたのかと驚き、ものすごく惹かれたので帰宅後すぐにGoogleさんです。
調べてみるとなんだかかわいいだけの猫漫画ではなさそうです。
私は猫が大好きなのでもちろん猫漫画も大好きです。
ただ漫画や映画なんかもそうですが猫だけに限らず、犬やその他の動物にまつわる作品はすべてハッピーなものが好きなんです。
特に動物関係のものはハッピーなものしかみないようにしてきました。
正直可愛いだけでいいとさえ思っています。
そんな私がいろんな人のレビューを読んで、この「トラジマのミーめ」はきっと読むと辛いだろうなとすぐに感じました。
いつもだったらレビューを読んだだけできっと買ってなかったハズ。
だけどなんだか無性に読んでみたい衝動に駆られAmazonで購入。その本はすぐにお家のポストに投函されました。
「トラジマのミーめ」ネタバレ
この本は松本零士の1970年代の作品で少女マンガに掲載されていたそうです。
子供の頃から漫画の本はよく読んでいましたが全然知りませんでした。
動物まんがを描いているイメージはなかったので驚きです。
本を読み始めるとやっぱり絵の感じは松本零士です。当たり前ですが人間があの感じです。
銀河鉄道999が好きでアニメを観ていた時の事を思い出すあの懐かしい感じです。
懐かしさが込み上げてきてほっこりした気分になりながらページをめくっていくと数分でほっこり感はなくなりました。
なくなるどころか一気に悲しさに襲われました。わずか数分。ページ数で言うと30ページで号泣です。
30ページでヒクヒク泣いてしまっている。
こんな事でこの先が読めるのかと自分に自問自答しながら一旦休憩をはさみます。
いきなりですがミーくんはメスネコです。
トラジマの顔がオスのようなのでミーくんと呼ばれるようになりました。
ミーくんはクリスマスイブの雪が降っていたある日、お父さんとあつ子の家にやってきました。
ミーくんはお父さんやあつ子にとても愛されて過ごした日々が描かれています。
ミーくんの仲間の猫達の物語。そして、とりまく人間の物語でもあるように思えます。
今でこそ猫も完全な室内飼いが定着しつつあります。
それでもまだお家と外を行き来きしている猫ちゃんもいますし地域によってはそれが普通のところもあると思います。
現在の高齢の方と若い世代の方では犬や猫を飼うとゆう意識も全然違うと思います。
たくさんの考え方がある中で、この「トラジマのミーめ」は時代背景こそ少し違っても、今と昔を比べた時に、そのなかの本質が普遍的なものであることを描いた作品だと感じました。
猫を飼う前に読んでほしい本
私が今まで読んできた本はただただ可愛いだけのほっこり猫漫画でした。
ツイッターでも流れてくる虐待の文字や一瞬写る画像がちょっとアレだったりすると、もの凄い速さでスクロールしてしまうくらいの猫チキンです。
その私が偶然出会ってしまったこの「トラジマのミーめ」
この本のことを書きたいなぁと思ったのは、猫をこれから飼おうと思っている人やそんなに猫に興味がない人、同じように猫が大好きな人みんなに読んでほしい。
この「トラジマのミーめ」はひとことでゆうと哀しい猫漫画です。
猫のことが大好きな人はきっと心が痛くなって泣いてしまうと思います。
「トラジマのミーめ」短編のお話
ミーくんのお友達のチャールズとゆう猫はお金持ちのおうちのこでした。
ものすごく豪華な食事を与えられお風呂にいれられるたびに香水をふりかけられます。
野良猫たちもチャールズはゴミ箱とかあさった事ないだろうなぁ。と羨ましく話しています。
ある日チャールズの飼い主はチャールズが出かけてる間に引っ越ししてしまいます。チャールズが帰ると誰もいません。
家の中は真っ暗です。家に入ることができる猫とびらにも鍵がかかっています。
チャールズはその夜門柱の上で一家の帰りを待っていました。
次の日も。その次の日も。ずっと。
チャールズは捨てられたのです。
お風呂にいれられたあと香水をかけられ外で嫌がられてもチャールズは飼い主さんを大好きだったと思います。
側から見ていても豪華な食事を与えられブラッシングしてもらい暖かい部屋で暮らしているチャールズは幸せにしかみえなかったハズなのに…
この短編を読んだとき心が張り裂けそうになるくらい辛くてやっぱり読むのをやめようかと思ったけど、これは漫画だけど現実なんだと思い読み進めることにしました。
どうしてこんなかわいそうな事ができるのかと思うと心底つらくなります。
時代背景にペット可の物件が少なかったのは容易に想像できます。
でもそれは人間の都合。人間だけの都合なんです。
猫には関係ありません。ましてや人間の都合を猫が理解できるわけないんです。
チャールズはずっと暖かい家庭で暮らしていました。それがある日突然なくなるんです。
愛されてると思っていた人に捨てられゴミ箱をあさったこともないチャールズがいきなり外にほうりだされるんです。
チャールズの気持ちを思うとほんとうにいたたまれない気持ちになります。
この短編に描かれている猫たちは一度は人の手の暖かさを知り優しさを知った後、人の手によって捨てられ置き去りにされた猫たちのお話です。
巻末に松本零士の歴代の猫1代目から3代目までのミーくんの写真が載っています。
松本零士がこの「トラジマのミーめ」をなぜ描こうと思ったのかはわかりません。
最後に花井愛子さんが話されているように松本零士は猫が置き去りにされていく様子をたくさんみていたんだと思います。
猫のことを本当に好きだから猫の気持ちを思うといたたまれない気持ちだったんだと、そう私は思います。
きっとそんな猫たちをみていて自分にできることはナニか。
少しでも哀しい思いをする猫たちがいなくなるために自分ができることはナニか。
この作品はとてもやるせない気持ちになる作品ですが作者の猫への優しさをすごく感じる作品でもあります。
私自身も現在猫5匹と暮らしています。
友人の中には猫のボランティア活動(TNRや保護活動)をしている友人もいます。
夜中や朝方に猫を捕獲し病院で去勢や避妊手術を受けさせ元に戻す。
すごく大変なのに精力的に頑張っている姿をみていると私も何か少しでも手伝えることができたらなとゆう気持ちになります。
「トラジマのミーめ」感想
猫はすごく魅力的です。猫との生活はとても暮らしを豊かにしてくれます。
ただ、今は猫ブームでSNSやYouTubeなんかで色んな人達が猫動画をみたりしています。
それはそれで嬉しい気持ちもあります。
だけどなかには、容易な気持ちや軽い気持ちで猫を飼う人がふえるのも現実です。
猫はいきものです。感情もあります。哀しい気持ちも嬉しい気持ちもあります。
もちろん年もいきます。子猫からシニア猫になるまで10年から20年も生きるんです。
人と同じで猫はほんとうにいろんな性格のこがいます。
ゴロゴロと懐っこいこやちょっとツンデレさん。臆病なこもいたら楽天的なこもいます。
可愛いだけでなく病気もしますしソファや壁で爪をといだりするこもいます。
けっこう頻繁に吐いたりするこもいます。それもみんな猫の個です。
ただ可愛いだけの動画のイメージで飼うとこんなハズじゃなかったと思うこともあるとおもいます。
なので猫と暮らすことを考える時には真剣に考え猫の一生をおばぁちゃん猫、おじいちゃん猫になるまで自分がみるんだ。
と、思えた時に楽しい猫暮らしを送ってほしいなぁとおもいます。
猫も犬も人から愛情を受けるとみんな愛情を返してくれます。
みんなあなたのことが大好きなんです。
猫をお家に招き入れた時には、その猫の幸せを握っているのは全てあなたなんです。
最後に…
この本は猫と人とのかかわり、命の大切さを考えさせてくれるとても貴重な本です。
この本は猫と人とのかかわり命の大切さを考えさせてくれるとても貴重な本です。
心が痛くなるシーンもたくさんありますが出会えて本当によかったです。
この本の最後の最後の言葉の中に全ての想いがこめられているような。そんな気が私はずっとしています。